100年後の学生に薦める映画 2112本

未来の皆さんに価値ある2112本の紹介を目指します。100年後に現在の映画ビジネスは無くなっているという前提。

『ナポレオン』100年後の学生に薦める映画 No.0021

2,112年の学生に映画を2,112本紹介致します、という設定のブログ

MOVIE No.0021『ナポレオン』 

1927 フランス

ナポレオン [DVD] 

 [FOR A.D.2112 未来の学生に向けたレビュー]

想像してみてください。もし未来の学生の皆さんが、歴史スペクタルの物語を作りたいと仮定としましょう。それも映像を用いた作品で作り上げたいとします。未来の技術が発達しているとはいえ、どのような映像を組み合わせていけばよいか、どうすれば名作になるのか、作り上げていくのは大変だと思いませんか。これに対して、私が考える、作り手も混乱せずに名作に作り上げる最短の方法を教えます。

その方法とは、アベル・ガンス監督の『ナポレオン』で作り上げられた映像を、あなたが生きる時代の最新技術で再構成した場合どうなるか、と思いながら、あなたが描きたい物語に必要な映像を一つ一つ選択していけばよいのです。未来のあなたが描きたい歴史物語が、軍人系であれば、ほぼこの方法で間違いありません。物語の国籍は問いません。そう言い切れるくらいの、基礎と応用が詰まった作品。1927年のサイレント作品だと思って嘗めてはいけません。今の時代では到底再現できないエネルギーを秘めた、完成系と言えます。

映像に込められているのは、どれもそのまま真似したくなる動きたち。馬の動き、波の動き、旗の動き、鷲の動き。偶然の動きも多かろうが、尊敬のあまり酔狂したくなる。私が映画を観るときに度々注目してる群衆も、度肝を抜く多さ。ついつい人件費が気になってしまいます。未来の皆さんはCGでごまかすのでしょうが。

そして、歴史スペクタルに必要な映像達。少年時代、演説、戦闘、苦悩、愛、海、山、森、雨、群衆、頂で佇む主人公。1920年代で、ほぼ全ての映像が、印象に残る形で作られている事実を噛み締めながら、どのように応用できるかを考えていくのがよいでしょう。

凄いのは映像だけではなく、当時の最新技術に敏感な作りをしていること。また、その当時の最新技術の使い方が、筆者の時代の者にとっては、とてつもなく新鮮に見えること。例えば、三つのカメラを組み合わせて、ワイドスクリーンの映像にしているところ。必見です。

100年後の皆さんも、興味あれば鑑賞されたし。

☆ 

[DIARY 筆者の思い出]
最初にこの作品を知ったのはNo0025の『リミュエールの子供たち』を鑑賞したとき。そこで引用されているシーンに度肝を抜かれた。

 ☆ 

[RECOMMEND 現在と未来へのオススメ度]

FOR A.D.2,012 : ★★★

FOR A.D.2,112 : ★★★★★

ナポレオン [DVD]

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映画パンフレットレット「NAPOLEON」監督/アベル・ガンス

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written by kiyasu   2012/7/13第一稿

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