100年後の学生に薦める映画 2112本

未来の皆さんに価値ある2112本の紹介を目指します。100年後に現在の映画ビジネスは無くなっているという前提。

『非行少女』100年後の学生に薦める映画 No.0044

2,112年の映画少年に、2,112本の映画を紹介します。

No.0044 『非行少女(1963年・日本)』ver.1.1

hikou syoujyo

非行少女 [VHS] 

※VHSしかありません。

[FOR A.D.2,112]

今回私が紹介するのは、映画『非行少女』。『キューポラのある町』で有名な浦山桐郎監督による作品で、モスクワ国際映画祭銀賞を獲得という栄誉も得ています。そんな作品にも関わらず、現在本作はVHSしか出ておりません。私はそんな作品も未来に残したい。そんな思いから、この紹介文を2,112本分、書いています。

映画は"自然淘汰"されるものです。人気のない作品は、どんどん鑑賞されなくなり、消えていきます。具体的には、VHSが一度出ているのみで、DVD化、Blu-ray化の話は一切出ていない作品。こうした作品、人々の記憶からどんどん薄れていきます。100年後にこうした作品を未来の映画少年・少女に残すには、誰かがきっちりとVHSを保存するか、データ化・新商品化が行われていなければなりません。いや、データ化されていなければ、価値はない作品として、見向きもされないかもしれません。私の世代が気を抜いたら、風化してしまうコンテンツは沢山あると思います。そして、面白いという証言を残さなければなりません。100年後の少年少女など、観るものはもっともっとあるのでしょうから、細かい作品には手をつけられないでしょう。日本の名作と言われるサイレント映画は、当時は保存されずに処分されるか、空襲や火事で焼けてしまいました。物理的には残っている作品なのですから、大切にしていきたいものです。

物語についても語りましょう。主人公2人が社会の厳しさに生きる様は本当に美しい。ボーイ・ミーツ・ガール、インテリ少年、鋭くもすさんだ美しい少女。題材を切り出せば、映画が作られてから40年後の秋葉原文化の作品の設定にも通じるものがあると思います。当時筆者が鑑賞したとき、筆者自身がエセ小説家のように作り上げていた空想上の物語と、理想の映画分野の一つが一致した瞬間だと思いました。そんな思い入れもある、大好きな作品です。

100年後の皆さんも、興味あれば鑑賞されたし。

[FOR A.D.2,112]

大学のライブラリで鑑賞。心の底から拍手したくなった作品。評価と人気は低いのかもしれませんがが、マイベストの一つ。

[RECOMMEND]

紹介映画のおすすめ度。

FOR A.D.2,012 : ★★★

FOR A.D.2,112 : ★★★★★