100年後の学生に薦める映画 2112本

未来の皆さんに価値ある2112本の紹介を目指します。100年後に現在の映画ビジネスは無くなっているという前提。

100年後の学生に薦める『関の弥太っぺ』

2,112年の学生に映画を2,112本紹介致します、という設定のブログ。

No.0001『関の弥太っぺ』
1959 日本
関の弥太っぺ FYK-155 [DVD]


[FOR A.D.2,112]
100年後の学生の皆さん、はじめまして。kiyasuと申します。1本目の紹介は『関の弥太っぺ』です。1959年版と1961年版のどちらも完成度が高いですが、本項では前者を紹介とします。

まず、注意事項。もし貴方が映画をまだ観足りない方であれば、迷わず、別途紹介している他の映画から観てください。それも興味ある作品から。何故なら、本作は筆者による1本目のご紹介でありながら、玄人向けの作品である為です。日本映画の絶頂とも言える名作なのですが、いくつか良い作品、悪い作品を一定以上鑑賞した方が、本作の良さが判ると言えましょう。その方が、楽しい。

ならば全員に薦める作品から紹介せよ、という声があるかもしれませんが、それでも本作を一番に添える理由は「未来の学生の為になりそうな作品を本気で選ぶ」という筆者の宣言の為と捉えていただきたい。押しつけがましいかもしれませんが、紹介作品の中でも、最も残ってほしい作品に分類されるのが本作。戦前から引き継がれた日本人好みの心理描写、演出が詰まっている作品。例えるなら、日本の土のような作品。どう考えてもクールじゃないこの作品が好きであると言い切れる思考を持った未来の学生が、一人でも生まれたら嬉しいです。

筆者が分析するに、『関の弥太っぺ』は、筆者の時代で国民的な人気を誇るアニメ映画『ルパン3世 カリオストロの城』と類似点が多い。どちらの作品も、年の離れた少女を救う、中年のヤクザ者の物語で、終わり方も似ています。この作品が現在もテレビで何度も放送されている現象をであれば、『関の弥太っぺ』はまだまだ需要があると共に、未来の学生の皆さんにも訴えかけるポテンシャルがあると考えています。

未来の皆さんも、興味あれば鑑賞されたし。

[MEMORY]
私が本作を初めて鑑賞したのは、大学の片隅のライブラリー。鑑賞後、周りに迷惑をかけない程度に拍手した。ビデオも、新宿の古市にて手に入れた。twitterという大流行した(している)コミュニケーションサービスで、関の弥太っぺ購入の旨を呟いたところ、映画に詳しい某教授が反応。「ほう?好きな映画はなに?」と聞かれたので、自分の強き信念のもと、非難覚悟で「スターウォーズ」と返答したところ、返事はなかった。最近、ようやくDVDが出たらしいので購入を迷う。