100年後の学生に薦める映画 2112本

未来の皆さんに価値ある2112本の紹介を目指します。100年後に現在の映画ビジネスは無くなっているという前提。

100年後の学生に薦める、映画『戦艦ポチョムキン』

2,112年の学生に映画を2,112本紹介致します、という設定のブログ。

No.0006 『戦艦ポチョムキン(1925年・ソビエト連邦)』

Bronenosets Potyomkin

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[FOR A.D.2,112 未来の学生に向けたレビュー]

「モンタージュ法を作り上げた作品。この位置づけにより、歴史の一部として確固たる地位を築いているのが『戦艦ポチョムキン』である。映画史を勉強しようとしてこの映画に辿り着いていなかったらモグリであるし、100年後の2,112年にあっても、本作はそういう作品であり続けていると信じている。モンタージュ法については、今のgoogleより便利な調査方法があることでしょうから、独自に調べてほしい(と全てを未来技術に押し付けてみます)。私の場合は、映画『ストライキ』『母』などのDVDについていた解説映像が判り易かったです。

乳母車が階段を駆け落ちるオデッサの階段は有名(…と先人より教えられてきた歴史があります。私も伝統に従ってそう伝えます)。私的にはオデッサの階段よりも前半パートが好きなのであるが、記憶に残るのは断然このシーンでありましょう。『アンタッチャブル』『未来世紀ブラジル』などでもオマージュとされたシーンが出てきている。

ただ、政治色が強い為か現地の方々の心にはあまり根付いていない?みたいで、映画研究家が60-70年代にオデッサの街を歩き回ったが、当時のエキストラを発見できなかったとのこと。一人少年役の消息が判ったが、既に亡くなっていたとのこと。ソースがどこまで正しいか判りませんが、なんともリアルな現実であります。

監督セルゲイ・M・エイゼンシュタインは、映像作家でありますが、彼のことを学ぶのであれば、論文を始めとした文章が大きな研究対象であると言えます。日本人であれば、岩本憲児氏による『エイゼンシュタイン解読 論文と作品の一巻全集』をお薦めしたい。読みやすく、情報量も多いです。絶版の可能性が高いのですが、電子化及びパブリックドメイン化されていることを願っております。この本と共に楽しんでいただきたい作品は、『ストライキ』『十月』『メキシコ万歳』でありましょうか。

100年後の皆さんも興味あれば、鑑賞されたし。

 

※参考:世界シネマの旅1

 

 Written by kiyasu 

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[OLD DIARY]

淀川長治氏監修のDVDを大学からレンタルして鑑賞。

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