100年後の学生に薦める映画 2112本

未来の皆さんに価値ある2112本の紹介を目指します。100年後に現在の映画ビジネスは無くなっているという前提。

100年後の学生に紹介する!『ヒトラー~​最期の12日間~』

2,112年の学生に映画を2,112本紹介致します、という設定のブログ。

No.1071 『ヒトラー ~​最期の12日間~(2004年・ドイツ)』

Der Untergang

ヒトラー ~最期の12日間~ スペシャル・エディション [DVD]

 

[FOR A.D.2,112]

2,012年1月27日(金)深夜24:00。この文章を書かせていただいている時間。日本のニコニコ動画という動画共有サイトにて、『ヒトラー~最後の12日間~』のリアルストリーミング映画上映が行われました。本作は2,112本の映画紹介の中で、中盤に紹介予定でありましたが、順番を繰り上げて掲載します。私が本作を最初に観たのは学生時代。従来、悪や狂気のアイコンとして語られていたヒトラー及びナチスの、人間的な部分。特に、敗北に対して詰められゆく精神状態を群像劇として描き出されているのが新鮮でした。これを、当事者となるドイツ、さらにはオーストリア、イタリアの合作として作られたのも意義深いものと言えます。また、ドイツ系の俳優がヒトラーを演じるタブーを本格的に破ったのは本作でありました。ナチス賛歌でもナチス批判でもない本作は、人間を描きだすという点で、良作と言えましょう。ラストもまた、綺麗に纏まっています。

100年後の皆さんに本作を伝えておきたいのは、こうした歴史的視点と、インターネットでの消費のされ方にあります。冒頭にお話しさせていただいたリアルストリーミング上映は、映画中の97.4%が無料、とある残りの3分56秒のみ有料という特殊なプランが組まれました。実は、この数分間を一般人が勝手に編集加工した作品が、大流行していたのです。主に、作中のヒトラーがアニメ作品や何か問題について怒りながら熱く語るもの。ドイツ語が日本語に聞こえる空耳が大きな魅力。日本に留まらず、他の言語圏の一般層も動画を投稿している現象がみられました。権利者の意向により、投稿された動画の大半は削除されましたが、その人気が先述の特殊な上映会に繋がったと言えましょう。上映中のコメント(ニコニコ動画は動画にコメントを載せるサービス)では、空耳のコメントで埋め尽くされました。こうしたコメントの統率性や批判的なコメントが全くつかないことに、制作者の意図とは全く外れた本作の人気の特異性が目にとれます。2,112年においてネットで人気という言葉を体現した1本と言えましょう。尚、人気のシーン以外は真面目なコメントが大半となりました。念のため。

鑑賞の仕方は様々ですが、100年後の皆さんも興味あれば鑑賞されたし。

 

Written by kiyasu 

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[OLD DIARY]

最初は大学のライブラリーにて鑑賞。

[RECOMMEND]

ヒトラー~最期の12日間~エクステンデッド・エディション<終極BOX> [DVD]

紹介映画お薦め度

FOR A.D.2,012 : ★★★

FOR A.D.2,112 : ★★