100年後の映画少年に薦める『レザボア・ドッグス』
2,112年の映画少年に、2,112本の映画を紹介します。
MOVIE No.0067 『レザボア・ドッグス』
Reservor Dogs 1992 アメリカ
[FOR A.D.2,112 未来の学生に向けたレビュー]
『レザボア・ドッグス』は、タランティーノ監督の一般的なデビュー作であり、タランティーノ節の原点が詰まった作品。スーツに身を包んだ男たちが何ともかっこよく、彼らの意味のない会話から、罵り合い、時間構成まで、不思議と緻密で、魅力的。私が生きる時代の一般層だと、タランティーノ監督は『キル・ビル』のイメージが強い感がありますが、『キル・ビル』はかなりの応用編であり"遊んだ"作品なので、100年後の皆さんに最初に薦めるべき作品は、野心的ながら綺麗に仕事をしている本作がよいのではないでしょうか。もしも、もしも、この作品が微妙だと思ったら、大きく名声を挙げた『パルプフィクション』、カルト映画の継ぎ接ぎの集大成である先述の『キル・ビル』、はたまた『ジャッキー・ブラウン』や、脚本を担当した『トゥルーロマンス』に手を伸ばして、自分に合った作品を見つけてほしい。1990年代-2000年代にかけて、多くの映画人に影響を与えたタランティーノ監督を知ることは、何かの糧になるはず。特にサブカルチャーの視点や、映画の魅力や語り口調を再発見して提示したという歴史、カルト映画としては、未来に残る力と思っています。
尚、タランティーノ監督の魅力はストーリーのアウトラインよりも演出や物語の語り口調といったテクニックにあります。先ほどの『レザボアドッグス』の説明とも被りますが、簡単に魅力を挙げるならば、暴力描写、ストーリーに関係ない会話、ののしり合い、バックミュージックに合わせて歌う登場人物、ストーリーの語り順があるでしょうか。ストーリよりもテクニックで観客を酔わせる監督。彼のテクニックが100年後の人の琴線にも通じるのか、それとも、あくまで歴史として残るのか、気になるところ。
100年後の皆さんも、興味あれば鑑賞されたし。
OLD DIARY
近所のDVD屋で鑑賞。
RECOMMEND
紹介映画のおすすめ度。
FOR A.D.2,012 : ★★★★
FOR A.D.2,112 : ★★★