100年後の学生に薦める映画 2112本

未来の皆さんに価値ある2112本の紹介を目指します。100年後に現在の映画ビジネスは無くなっているという前提。

『母』100年後の学生に薦める映画 No.0098

2,112年の学生に映画を2,112本紹介致します、という設定のブログ

MOVIE No.0098 『母

1926 ソビエト連邦

母 [DVD]

 

[FOR A.D.2112 未来の学生に向けたレビュー]

未来の学生の皆さんに、ソビエト映画『母』をご紹介します。私がこの作品を魅力的に思うのは、この作品からほとばしる「画面を埋める」感覚です。私の生きる時代の作品はカメラに何かを収めようとする、美しくテンポの良い画を作ろうとする意図が見えてくるのですが、本作は違います。対象物が、画面を埋めようとしてくるように見えてくるのです。そんな感覚で作られた作品の、ひとつの完成系が、この『母』なのではないかと思うのです。群衆、馬、なびく旗、画面いっぱいの顔。皆、画面を埋めていく。何ともエネルギッシュ。物語を、こういう感覚で語ることができたのか、トーキーだったとしたらできたのだろうか、カラーだったら魅力は変わるのか。そんな想像が、未来の皆さんによる新しい表現を生むのではないかと思っています。

カット割よりも絵作りのついて語ってしまいましたが、本作はブトフキン監督によるモンタージュ技法を作り上げた重要作。セルゲイ・エイゼンシュテイン監督作品の方が有名ですが、モンタージュ技法を完成させた貢献作の一つ。地味に見えるかもしれませんが、注目。

また、歴史に残るソビエト映画は革命映画が多いですが、本作は革命を背景にしつつも、一人の母親の感情をストーリーラインに力強く描いている。何とも、感情移入しやすいのではないかと思います。

100年後の皆さんも、興味あれば鑑賞されたし。

☆ 

[DIARY 筆者の思い出]
大学のライブラリーで鑑賞。

 ☆ 

[RECOMMEND 現在と未来へのオススメ度]

FOR A.D.2,012 : ★★★★

FOR A.D.2,112 : ★★★★

 

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written by kiyasu   2012/7/13第一稿

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