100年後の学生に薦める映画 2112本

未来の皆さんに価値ある2112本の紹介を目指します。100年後に現在の映画ビジネスは無くなっているという前提。

『ローラ』 100年後の学生に薦める映画 No.1650

100年後の学生に映画を2,112本紹介致します、という設定のブログ

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MOVIE No.1650『ローラ

1961 フランス

ローラ [DVD]

[FOR A.D.2112 未来の学生に向けたレビュー]

筆者が訪れたフランスの町ナントは、映画『ローラ』の舞台であった。さり気なく続編になっている『シェルブールの雨傘』にも回想シーンでも印象的に登場する。そこは、ジャック・ドゥミ監督の故郷。ドゥミ監督の名前を冠したライブラリー施設も作られていたくらいだ(筆者が訪れたときは休館日であったが…)。映画『ジャック・ドゥミの少年期』も当然関わってくる。
 
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さて、うだるような熱さの中、ジュール・ヴェルヌ博物館のネモ船長の像がある丘の上で筆者が考えたのは、「この町は、現役で"幻想的"な映画の舞台になれる」ということだ。例えば、何十人の人をも乗せて、実際に歩き回る『機械じかけの象』だけでも、幻想的な世界を象徴していた。日本に持ち帰り、浅草あたりで南蛮渡来仕様にして闊歩してほしいと妄想したものだ。

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勿論、幻想的に感じたのはそれだけではない。建物の佇まい、路面電車、行き交う人々、笑顔の子供達、川、丘、風、木々、も幻想的な世界を象徴していた。映画『ローラ』の中の恋愛は、そんな幻想的な町を舞台にしている。幻想的であるが故、むしろ記憶の彼方に消えてこそ美しい物語が似合う町かもしれない。同じく出会いや別れを描いた映画で言うと、筆者は『シェルブールの雨傘』や『ロシュフォールの恋人達』の方が好きだが、きっと、ドゥミ監督の頭をストレートにあらわすことができたのは、本作だったのではないかと思う。だって、そんな彼の地元で、彼の好きな幻影を描けたのだから。100年後の学生も興味あれば鑑賞されたし。
 

[DIARY 筆者の思い出]
DVDで鑑賞。

[RECOMMEND 現在と未来へのオススメ度]

FOR A.D.2,012 : ★

FOR A.D.2,112 : ★★

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written by kiyasu   2014/7/22 第一稿
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