『シリアの花嫁』 100年後の学生に薦める映画 No.2051
100年後の学生に映画を2,112本紹介致します、という設定のブログ
MOVIE No.2051『シリアの花嫁』
2009 イスラエル・フランス・ドイツ
[FOR A.D.2112 未来の学生に向けたレビュー]
100年後の国境は、どうなっているだろうか。
どれだけ世界地図は書き変わっているだろうか。
曖昧となったイスラエルとシリアの国境は、どうなっているだろうか。
100年前の世界地図を眺めながら、筆者はそう考える。
筆者がこの文章を書いている時、
日本人の強い関心は、シリアからイスラム国に入った日本人の人質問題に向けられている。
「イスラム国」という国を新しく作ろうとしている(主張している)人達の場所へ向かった日本人が、捕まってしまったのだ。
少なくとも「地球上全員が傷つけ合わず、仲良くなりましょうよ」という前提の組織(国?)ではない。また、特定の国のみの組織ではない。インターネットを通じて世界中に呼びかけている点は、特徴的だ。
そんな複雑な世界の本拠地へ入るには、かなりの困難がつきまとう。
この事件の舞台と周辺の国々の地図を眺めていて、
映画『シリアの花嫁』を思い起こした。
筆者はシリアの周りの国のうち、
ヨルダン、トルコ、イスラエル、の3カ国に訪れたことがある。
人質事件で日本人がシリア入りしたのがトルコ。
人質事件で日本政府の本部が置かれているのがヨルダン。
今回の映画の舞台がイスラエルである。
イスラエルとシリアの国境は、
地図で見ると、明確な国境は無く、点線で表現されている。
そんな国境で、「国籍がない家族」の花嫁が、イスラエルからシリアへ渡る物語が、
今回紹介する映画だ。
花嫁は、一度シリアの花婿のところへ嫁げば、一生、家族のいるイスラエルへは戻れない。
何もそんなリスクを犯して隣国へ行かなくても…と思うが、
ともかく感情を揺さぶられる映画だ。送る家族、向かう花嫁の眼を見ているだけでも心にくる。
この映画はイスラエルでも話題になったと言う。
イスラエルでも話題になったということは、やっぱりイスラエルの人達にとっても、国境に「問題(悲しさ)」を感じるものなのだな、という当たり前の事実を再認識させられる。ガザ地区問題などで、国境や思想がややこしいところだから尚更だ。
[DIARY 筆者の思い出]
DVDで鑑賞。
[RECOMMEND 現在と未来へのオススメ度]
FOR A.D.2,012 : ★★★
FOR A.D.2,112 : ★★★
---------------------------------------------------
written by kiyasu 2015/1/26 第一稿
---------------------------------------------------