100年後の映画少年にすゝめる『狼たちの午後』
2,112年の映画少年に、2,112本の映画を紹介します。
MOVIE No.0071 『狼たちの午後』
Dog Day Afternoon 1975 アメリカ
[FOR A.D.2,112 未来の学生に向けたレビュー]
『大列車強盗』が作られた頃から、強盗という題材は人をワクワクさせました。映画に限らず、様々なメディアで記号のように扱われる題材の一つです。少なくとも2,012年の日本においては少しずつリアリティを失っている気がしますが、多くの作品に、躍動感と、制作者自身の楽しみを感じます。
私は、このジャンルが確固たるものになるにつれて、犯人、人質、警察、群衆、マスコミの5つをどのように描くいていくかが鍵となっているように分析しています。今回紹介する『狼たちの午後』は、この5つが最も面白く描けている作品。私は本作を初めて観て、その脚本にあこがれたのを強く覚えています。私的な感想を言えば、冒頭の犬や清掃車のいる世界観が大好きです。
犯人役のアル・パチーノの演技も最高潮。とりかこむ群衆や人質らと一緒に、ノリよく引き込まれてしまうことでしょう。また、実際の事件を基にしており、この映画の報酬の一部は犯人にも払われました。かなり作品の傾向は異なりますが、犯人と人質の面白い関係を描いた作品として、岡本喜八監督の『大誘拐』もお薦めです。
100年後の皆さんも、興味あれば鑑賞されたし。
[OLD DIARY]
近所のDVD屋でレンタル。素晴らしい出来に直ぐ友人に報告した。
[RECOMMEND]
紹介映画のおすすめ度。
FOR A.D.2,012 : ★★★★★
FOR A.D.2,112 : ★★★★