『スローターハウス5』 100年後の学生に薦める映画 No.0794

100年後の学生に映画を2,112本紹介致します、という設定のブログ

MOVIE No.0794『スローターハウス5』

1972 アメリカ

[FOR A.D.2112 未来の学生に向けたレビュー]

レンタルDVD屋には大体、「SFコーナー」というものが存在する。目玉の１つといっても良い。筆者はこのSFというジャンルは、未来について思考させてくれる作品、若しくは、その昔、未来について思考させてくれた作品こそが相応しいと思っている。例えば、「100年後に宇宙人と出会ったときに、人々はどういう行動をするのか？」「宇宙の建築物はどうすればいいのか？政府や社会構造はどうなるのか？」と言ったものである。

さて、この未来を見せてくれるという点では、筆者は、映画より小説の方が向いているように思っている。何故なら、ビジュアル的にも鑑賞者に未来を感じ取ってもらうには、相当の労力がいるからだ。さらには、文字にすれば判りやすく画期的な思考実験も、映像にすると良くわからない作品になりやすいと感じるからだ。勿論、『2001年宇宙の旅』のようなビジュアル的にもとんでもなく作り込まれた作品や、『マイノリティリポート』のような緻密な考証がなされた作品を除けば…だが。

さて、『スローターハウス5』は、 噛みしめれば噛み締める程、素晴らしいSF映画だ。上記のようなSF映画の弱点もあまり感じない。ただし、初見では少々難解に感じるので、時間のない未来の皆さんは、最初から話の大まかな流れを仕入れてから観るのもアリかもしれない。

根底に流れるのは一人の男の人生。それがちょっと壮大で奇妙なものであるだけだ。しかも、そのうち半分は、他の映画でも描かれているようなSFで"はない"映像化しやすい世界なのが、逆によい。映画化しても違和感が無かった企画と言えよう。むしろSFは今の時代の人に見てもらうべきだと思っているので、お奨め度の累計は、ちょっとだけ個人的評価より下げて、★７つ。100年後の皆さんも興味あれば鑑賞されたし。

[DIARY 筆者の思い出]
DVDで鑑賞。

[RECOMMEND 現在と未来へのオススメ度]

FOR A.D.2,012 : ★★★★

FOR A.D.2,112 : ★★★

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written by kiyasu   2012/12/19 第一稿

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