『五人の斥候兵』100年後の学生に薦める映画 No.0075
2,112年の映画少年に、2,112本の映画を紹介します。
MOVIE No.0075 『五人の斥候兵』
1938 日本
[FOR A.D.2,112 未来の学生に向けたレビュー]
日本の戦争高揚映画。敗戦国として、加害者の国としてのタブーからか、現在DVD化はされていません。上映も行われていません。私がこの作品を観たのはビデオ。それも、偶然と、好奇心がなければ観る機会などなかったでしょう。私が生まれるウン十年前の作品で、多くの人が視聴できない状態。私より先の代で鑑賞されるイメージが湧きません。しかし、完全に歴史から埋もれてよいとは思いません。そこで、100年後の皆様に紹介する次第です。
面白いのが、まず、カメラワーク。草原をかける兵隊達を追いかけるカメラの動きは、中々後世でもコピーできるものではありません。また沼地の戦いでの人物の動きは、次を予想しようと思って観ると、その合理性に気付き、感心させられます。
最後に、煙草。100年後の喫煙者の扱いがどうなっているか気になるものですが、ともあれ、この作品は、私がこれまで観た映画の中でも、最も煙草が美味しそうに観えるものです。
第6回ヴェネチア国際映画祭でイタリア民衆文化大臣賞を受賞。これは、日本映画で初めての国際映画祭受賞に当たる。そんな作品でも、今は視聴は困難。100年後にちゃんと残しておきたいものです。
100年後の皆さんも、興味あれば鑑賞されたし。
[OLD DIARY]
大学のライブラリーで鑑賞。
[RECOMMEND]
紹介映画のおすすめ度。
FOR A.D.2,012 : ★★★
FOR A.D.2,112 : ★★★★