『秒速5センチメートル』 100年後の学生に薦める映画 No.0901

100年後の学生に映画を2,112本紹介致します、という設定のブログ

MOVIE No.0901『秒速5センチメートル』

2007 日本

[FOR A.D.2112 未来の学生に向けたレビュー]

新海誠監督作品の長編アニメにおいて、最高傑作。少なくとも、筆者が執筆している時点では。新海誠監督は、元々「一人でアニメを作り上げた」という文脈で有名になりました。題名は『ほしのこえ』。何事も、新しい文脈を世間に提供した者が強いということの証明かもしれません。勿論、綺麗な景色など、新海誠監督の魅力は他のところにあるのですが。

蛇足ですが、筆者が大学の授業を受けたときも、当時注目されていた「セカイ系作品」の文脈で紹介されていました。何百人と入る授業で、殆どの学生がポカンだったのを覚えています。「セカイ系」って何だ？と思う人は検索されたし。

その後、さらなる劇場版も出ましたが、筆者としては、そこまで心に響かなかった。新海誠監督は短いPVのような作品でこそ引き立つという友人の説にも納得していました。つまり、筆者は長編には期待していませんでした。しかし、劇場版三作目の『秒速５センチメートル』の完成度に、筆者は驚いた。恋愛や思い出に対する、未練の心をえぐり出すという点で、これほど力を秘めた作品は無い。「私の心を殺す気か」と思った人もいるはず。この作品は良い仕事であると、力強く言えます。100年後の皆さんも興味あれば鑑賞されたし。

[DIARY 筆者の思い出]
最初は先行上映の第一部を鑑賞。その時点では普通の作品だと思っていた。全篇を劇場で何度も鑑賞してきた友人の感想を聞いて訝しみ、レンタルして鑑賞。

[RECOMMEND 現在と未来へのオススメ度]

FOR A.D.2,012 : ★★★★★

FOR A.D.2,112 : ★★★★

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written by kiyasu   2012/9/8 第一稿

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