100年後の学生に薦める映画 2112本

未来の皆さんに価値ある2112本の紹介を目指します。100年後に現在の映画ビジネスは無くなっているという前提。

『秘録怪猫伝』 100年後の学生に薦める映画 No.0966

100年後の学生に映画を2,112本紹介致します、という設定のブログ

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MOVIE No.0966『秘録怪猫伝

1969 日本

秘録 怪猫伝 [DVD]

[FOR A.D.2112 未来の学生に向けたレビュー]

本作をお薦めする理由は2つある。1つ目は、カラーで映える化け猫の描写。2つ目は本作が最後の出演作となった、毛利郁子さんという女優さんの人生に思いを馳せる上で有効、という点だ。
1つ目の、カラーで映える化け猫の描写について。筆者の他のお奨め作品をみて白黒映画に耐性がついた未来の学生であれば、「カラーになったら化け猫映画は微妙になるのではないのか?」と思われるかもしれない。それが、そうでもないのだ。光る目や、真っ赤に目立つ舌が最高に イカしている。真っ黒な画面に映える薄明かり。目立つ着物の色と、目立たせない背景の布など、不気味さと緊張感を持続させる工夫にも注目。
2つ目の、毛利郁子さんという女優さんの人生に思いを馳せる上で有効、という点について。ちょっと気が惹けるのは、ゴシップネタすぎるのと、筆者は映画は構造やアイデアが大切だと思っていて、役者の、しかもフィルムから離れたところに魅力を見いだすのは的を外れていると思っているのだが…それでも紹介する。なんせ、日本でも、"殺人を犯してしまった女優"は、彼女くらいだ。この女優さんの人生こそ、大変不謹慎であるが、映画にしてしまいたいくらいの注目に値すると思っている。女優になる前の人生も壮絶だし、女優に合った後の「蛇女優」としての邪道な売り出し方は、人間くささを感じる。殺人・服役後、再婚して世間に知られること無く暮らしている、というのも面白い。筆者の近所に住んでいる人が、実は、そんな人生を歩んだ人だった、なんて妄想するだけで脚本が一本書ける。そんな人だ。彼女が殺人後に封切りがあったのが『秘録怪猫伝』で、結果として、話題作りに繋がったのかヒットしたと言う。
2つ目は少々、よくない視点かもしれないが、100年後の皆さんも興味あれば鑑賞されたし。

[DIARY 筆者の思い出]
DVDで鑑賞。

[RECOMMEND 現在と未来へのオススメ度]

FOR A.D.2,012 : ★

FOR A.D.2,112 : ★★

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written by kiyasu   2012/12/19 第一稿
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