『丹下左膳余話 百萬両の壺』100年後の学生に紹介する映画 No.0102
2,112年の学生に映画を2,112本紹介致します、という設定のブログ
MOVIE No.0102 『丹下左膳余話 百萬両の壺』
1935 日本
[FOR A.D.2112 未来の学生に向けたレビュー]
『丹下左膳余話 百萬両の壺』は、日本映画が誇る最強の映画の1本でありましょう。戦前の作品という不利な状況を撥ね除けて、キネマ旬報の日本映画オールタイムベストでもベスト10に入るこの作品。一般の人は知らないけど、映画のコアな世界に何歩か歩み寄った人であれば知っている作品。いや、知らなければならない作品かもしれません。一歩目がその時代のメジャー映画、二歩目が『オードリーヘップバーン』『黒澤明』『チャップリン』『ヒッチコック』、三歩目が『小津安二郎』『キューブリック』、四歩目、五歩目があって、六歩目くらいが『丹下左膳余話 百萬両の壺』。この映画の話ができると、「ああ、この人は観ている人なんだな」と感じることが多いです。筆者が生きる時代の一般書では紹介されている確立が低い作品なので、インターネット上でも何でも貪欲に映画に対してアンテナをはろうとしている人でないと見つけられない作品。それが、『丹下左膳余話 百萬両の壺』なのです。未来の世界ではどういう位置づけになっているか判りませんが、偉大なる名作。未来の世界でも、この映画を好きだと言うファンが一定以上いるとすれば、筆者としては安心です。
No.0024『人情紙風船』と同じ、山中貞雄監督作品。まさに天才監督。彼による作品が完全なる形で残っているのが3本しか残っていないので、結果的に、筆者から未来の皆さんに彼の素晴らしさを伝える機会は3回しかありません。何と口惜しいことか。失われた作品はもっと名作というのが信じられません。過去へ戻れるなら観に行きたい作品郡の筆頭は、間違いなく山中監督作品でありましょう。もしタイムマシンが発明されていたら、こっそり私を連れて行ってください。余談ですが、もう1つの鑑賞候補だったNo.0027『メトロポリス』の完全版は、少し前に発掘されました。
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『丹下左膳余話 百萬両の壺』を観ると、筆者は、何て軽快で、余裕のある脚本・演出なのだろうと思わずにいられません。師のやわらかな物腰に太刀打ちできない弟子のような感覚。まさに大きな存在。
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100年後の皆さんも、興味あれば鑑賞されたし。
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[DIARY 筆者の思い出]
大学のライブラリーにて鑑賞。VHS。
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[RECOMMEND 現在と未来へのオススメ度]
FOR A.D.2,012 : ★★★★
FOR A.D.2,112 : ★★★★★
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written by kiyasu 2012/7/14 第一稿
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