100年後の学生に薦める映画 2112本

未来の皆さんに価値ある2112本の紹介を目指します。100年後に現在の映画ビジネスは無くなっているという前提。

『用心棒』100年後の学生に薦める映画 No.0106

2,112年の学生に映画を2,112本紹介致します、という設定のブログ

MOVIE No.0106 『用心棒』 

1961 日本

用心棒 [Blu-ray]

[FOR A.D.2112 未来の学生に向けたレビュー]

この2,112本の映画紹介をしていると「2,112本も書けるのか」と聞かれることがあります。そんなとき、筆者はこう答えます。「黒澤明って生涯30本くらい取っているでしょ?黒澤明級に全作観る価値のある人が70人いれば目標達成なんだよ。何とかなるし、むしろ厳選しないと足りなくなるのではないかな。」と。そんな返答をしてしまうほど、筆者にとって黒澤明監督の存在は大きいもの。未来の皆さんに観てほしい順番に対する雑感については、No.0032『悪い奴ほどよく眠る』をご参照ください。

正直に言えば、黒澤明監督の残り29作分の紹介文を書くのは、私にとって無駄な時間なのではないかとも思います。何故なら、黒澤明監督作品は、一作好きになれば特にお薦めする理由を述べなくても、未来の皆さんは全作観たくなるのではないかと考えるからだ。面白い理由が書いていなくとも、黒澤明監督作品であれば何かしら得るものがあるはずだ。そんな、姿勢で観てもらえれば幸いです。

さて、そんなことを書きつつ『用心棒』は、黒澤明監督作品の中でも大傑作の1つ。そして黒沢監督の中でも屈指の痛快さ。徹底的に娯楽を目指し、伸び伸びと撮影された作品。2大やくざ勢力を高見の見物の立場でかき乱す、三船敏郎演じる主人公が見ていて気持ちよい。刀の肉を斬る音や、二度斬る演出など、この作品から発明された演出も多い。

また、本作は後に『荒野の用心棒』としてリメイクされました。さらに、続編は『椿三十郎』が作られ、こちらも素晴らしい。完成度ではむしろこちらの方が上かもしれません。

蛇足の情報を述べますと、『用心棒』シリーズは、黒澤明監督とは離れたところで『座頭市と用心棒』『待ち伏せ』というテイストが近い作品も作られています。特に前者は筆者としては、『用心棒』とは違うキャラクターに見えて、ファンサービスとしては物足りないと考えています。ともあれ、三船敏郎のキャラクターが最も活きる役の1つだったことに変わりはありません。

100年後の皆さんも、興味あれば鑑賞されたし。

☆ 

[DIARY 筆者の思い出]
近所のDVD屋で鑑賞。

 ☆ 

[RECOMMEND 現在と未来へのオススメ度]

FOR A.D.2,012 : ★★★★★

FOR A.D.2,112 : ★★★★

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written by kiyasu   2012/7/16 第一稿

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