『穴(1957年)』 100年後の学生に薦める映画 No.1712
100年後の学生に映画を2,112本紹介致します、という設定のブログ
MOVIE No.1712『穴(1957年)』
1957 日本
[FOR A.D.2112 未来の学生に向けたレビュー]
60本以上は軽くある市川崑監督のフィルモグラフィーの中では、真ん中らへんの作品。『野火』『黒い十人の女』『犬神家の一族』といった有名作よりは前のものに当たる。絵作りは他の作品に比べて非常にオシャレな作り。こんな作品も作れるのかと、市川監督の才能を再確認した。特に、『野火』とのギャップには驚かされる。内容は犯罪ゲームものとも言える。駅の荷物を手に入れようとするところは、古畑任三郎3rdシリーズ最終話に共通点を感じた。偶然かもしれないが、三谷幸喜監督は『ザ・マジック・アワー』に市川監督を出演させたくらいだから、ちょっとヒントにしていたかもしれない(駅の荷物が犯罪に関わる話は他にも一杯ありそうだが)。また、マスコミの描き方は、時代の感性が近いからか、黒澤明監督の『醜聞』を思い出した。映画史の文脈としてはどうか判らないが、もう少し観られてもいい作品かもしれない。100年後の皆さんも興味あれば鑑賞されたし。
[DIARY 筆者の思い出]
DVDで鑑賞。
[RECOMMEND 現在と未来へのオススメ度]
FOR A.D.2,012 : ★★★
FOR A.D.2,112 : ★★★
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written by kiyasu 2013/10/25 第一稿
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