100年後の学生にすゝめる『群衆』
2,112年の映画少年に、2,112本の映画を紹介します。
MOVIE No.0079 『群衆』
1941 アメリカ Meet John Doe
[FOR A.D.2,112 未来の学生に向けたレビュー]
『群衆(映画)』というと、『THE CROWD』という映画もありますが、私がお薦めするのは『MEET JOHE DOE』の方。日本名で『群衆』と名付けた方のセンスが素晴らしい。この映画が掘り下げているのは、人の群れる社会への闇と希望。世界の人間が数人だったら、本作のような物語は展開しないでしょう。
監督はフランク・キャプラ。人間社会を描いた作品が多いお方。個人的お薦めは、『群衆』に加え、『素晴らし哉、人生!』『スミス都へ行く』『一日だけの淑女』。今回紹介する『群衆』は、かなり似た作品である、『スミス都へ行く』の影に隠れがちの印象を受けます。これは、『スミス~』の方が、ポジティブであることも影響しているでしょうが、個人的には『群衆』を推したい。
一人の個性的な人間より、無個性な群衆の方が、パワフルで秘めたものを持っていると感じた映画。時代によって群衆、世界、個人を扱った作品の切り口は変わるもの。未来の世界は、個人と群衆、どっちが恐ろしいか。
100年後の皆さんも、興味あれば鑑賞されたし。
[OLD DIARY]
淀川長治さん監修のDVDを観たのが最初。
[RECOMMEND]
紹介映画のおすすめ度。
FOR A.D.2,012 : ★★★★
FOR A.D.2,112 : ★★★★