『つばさ』100年後の学生に薦める映画 No.0286

2,112年の学生に映画を2,112本紹介致します、という設定のブログ。

No.0286 『つばさ（1931年・アメリカ）』

WINGS 

[FOR A.D.2,112]

第一回アカデミー賞で、初の最優秀作品賞を獲得した作品（さらに技術効果賞も同時受賞）。100年後はともかく、この文章を書いている時代に生きる人であれば、この歴史的意義を感じられるのではないでしょうか。さらに、作品を見れば、当時はアカデミー賞が権威のない賞だったにせよ、その力が十分にあったことが、判ります。

第一次世界大戦の航空隊の物語。ワイドスクリーンの走りのような見せ方もされたという本作の壮大な空中アクションは、当時の観客を興奮させたことが容易に想像できます。そして、ロマンがある。田舎の大地で改造自動車を乗り回わす大空を夢見る青年が主人公。これは、『スターウォーズ』まで繋がる、万人に受け入れられる物語と言えましょう。さらに、演出が男っぽくも繊細。1,931年の映画であることが信じられなくなるほど、小道具の使い方がうまいのです。ちょっとオーバーなところはありますが、それはサイレント映画の楽しみ方として十分に許容できることでしょう。

監督は、ウィリアム・A・ウォルストン。フランス軍外人部隊など、戦闘機乗りとして『ワイルド・ビル』の異名を持った経験が活かされました。他にも、『スタア誕生』『民衆の敵』など、多彩な作品を撮っていらいっしゃいます。さらに、後に一大ブームを繰り出す女優クララ・ボウを始め、主人公チャールズ・ロジャース、リチャード・アーレンも、観ていて飽きない演技をしてくれる。また、"チョコレートのシーン"で印象に残ったるのは、当時エキストラのゲーリー・クーパー。『誰が為に鐘は鳴る』、『真昼の決闘』、『モロッコ』等で有名な彼の、若き姿が拝めます（公開当時、日本の観客がエキストラのクーパーの存在について注目していた、というエピソードを淀川長治先生が残していらっしゃいます）。

100年後の皆さんも、興味あれば鑑賞されたし！

Written by kiyasu 

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[OLD DIARY]

喰わず嫌いだったので、結構最近に鑑賞しました。

[FOR A.D.2,112]

500円であればこちら。

紹介映画のお薦め度

FOR A.D.2,012 : ★★★

FOR A.D.2,112 : ★★★