『午後の遺言状』 100年後の学生に薦める映画 No.2107
100年後の学生に映画を2,112本紹介致します、という設定のブログ
MOVIE No.2107『午後の遺言状』
1995 日本
[FOR A.D.2112 未来の学生に向けたレビュー]
新藤兼人監督・脚本作品。死を意識した作品。大きく2つの文脈で観てほしい。まずは、杉村春子さんと言う大女優が主役であること。別途筆者が紹介している映画たちにも度々登場。彼女のことを調べてほしい。次に、監督と乙羽信子さんのパートナー同士の関係。乙羽信子さんの命が残りわずかであることを意識しつつ、監督は作品に望んでいる。このあたりの文脈は、『午後の遺言状』と言う同タイトルの本を読むと、映画への知見が広がる。100年後の学生は見つけるのが大変かもしれないが、国会図書館などにはあるかもしれないので探してみてほしい。
結果、各個人の晩年作・遺作でありながら、作品賞・主演女優賞・助演女優賞など、多くの賞を獲った。これはもう、偉業である。
オチは言わないが、死を蹴り飛ばして歩いて見せるといったような意思さえも感じる。先に死の門をくぐった先人たちの、最後の強き輝きに拍手を送り、また自分も前を見据えたい。100年後の皆さんも興味あれば鑑賞されたし。
[DIARY 筆者の思い出]
DVDで鑑賞。
[RECOMMEND 現在と未来へのオススメ度]
FOR A.D.2,012 : ★★★★
FOR A.D.2,112 : ★★★★★
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written by kiyasu 2017/5/3 第一稿
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