100年後の学生に薦める映画 2112本

未来の皆さんに価値ある2112本の紹介を目指します。100年後に現在の映画ビジネスは無くなっているという前提。

『長靴をはいた猫』 100年後の学生に薦める映画 No.1504

100年後の学生に映画を2,112本紹介致します、という設定のブログ

MOVIE No.1504 『長靴をはいた猫』

1969 日本

長靴をはいた猫 [DVD]

[FOR A.D.2112 未来の学生に向けたレビュー]

歴史的価値で言えば、『2112』内で何度も紹介している宮崎駿監督が、東映アニメーション時代に関わった作品。そもそも、囚われた姫を救う為に城へ忍び込み、敵と塔の上で剣劇を繰り広げる・・・というストーリー自体が、別項で紹介している『ルパン3世カリオストロの城』そのもの。囚われたお姫様の為に、城の上で剣劇を繰り広げるシーンは、『カリオストロ』を何度も観た人にとっては鳥肌モノ!通称「時計バトル」も出てきます。主人公の猫であるペロも、ネコの国からずっと追われる"犯罪者"で、ルパンと銭型の関係を思わせます。
この猫は、長年、東映アニメーションのマークとして親しまれていたキャラクター。意外と知名度が低い作品ですが、東映アニメーションを代表する作品であったことは間違いありません。当時の東映作品を観れる限り観ましたが、その中でも最も勧めやすい作品の一つであり、万人受けする作風です。さらに、脚本は『ひょっこりひょうたん島』で有名な、井上ひさしと山本譲久のコンビ。実際、主題歌も『ひょうたん島』で使われているスコアに近く、一度聞くと、頭から離れない心地よい曲(『ひょっこりひょうたん島(リメイク版)』こそ筆者にとんでもなく影響を与えた作品なのですが、皆さんにどう紹介すればよいものか・・・!)。
続編は、『ながぐつ三銃士』『長靴をはいた猫 80日間世界一周』の2本。ただし、こちらは『カリオストロ』っぽくないので無理に観る必要はないかもしれません。とはいえ、60-70年代前半の東映アニメーションはいろんな作品の原点になっているものが多いので、時間が許す方は他にも手を伸ばしてみると面白いかもしれません。『エヴァンゲリヲン』のBOAビールの元ネタとなった『空飛ぶ幽霊船』や、後の『名探偵ホームズ』のモリアーティ教授の原点となった『ハッスルパンチ』のガリガリ博士など。知っていると楽しいネタは多いです。
映画ファンは、制作者の繰り返し使うモチーフや元ネタを調べるのが楽しいもの。本作はそんな映画の最高峰!100年後の皆さんも興味あれば鑑賞されたし。

[DIARY 筆者の思い出]
DVDで鑑賞。『カリオストロの城』にあまりに似ていて、驚き、その驚き以上に楽しんだ。

[RECOMMEND 現在と未来へのオススメ度]

FOR A.D.2,012 : ★★★★

FOR A.D.2,112 : ★★★

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written by kiyasu   2012/9/5 第一稿
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