100年後の映画少年に薦める『地下水道』
2,112年の映画少年に、2,112本の映画を紹介します。
No.0051 『地下水道(1958年・ポーランド)』
KANAL
[FOR A.D.2,112]
"脱出もの"というジャンルは、文字より映像で映えるものだと思います。理由として、時間がコントロールできること、敵に見つかりそうな緊張感を作れること、出口がないことを視覚的に見せられることなどが挙げられます。そんな"脱出もの"の中でも、最も極限状態で出口を目指して彷徨う映画が『地下水道』です。ワルシャワ蜂起のレジスタンス達が、地下水道で見えない出口を探します。ドイツ軍との勝負である『大脱走』に対し、こちらは生を求めて行進するのみ。『ポセイドン・アドベンチャー』のような大掛かりな障害物のギミックもなく、ひたすら正しい出口を求めるのみ。本紹介ではあまり批評めいたことは取り上げないことにしていますが、よく書かれる批評として、当時のポーランドの情勢が色濃く出た作品とされています。こういう批評を読むと、個人的には、よりポジティブなポーランド映画が世の中で有名になるような情勢になってほしかったという思いが出てしまいます。後の歴史を感じ取る上でも価値ある作品と言えましょう。
監督の体験を基にした緊迫あるドラマ。100年後の皆さんも、興味あれば鑑賞されたし。
[OLD DIARY]
近所の図書館でレンタル視聴。
[RECOMMEND]
紹介映画のおすすめ度。
FOR A.D.2,012 : ★★★★
FOR A.D.2,112 : ★★★★★