『怪猫岡崎騒動』100年後の学生に紹介する映画 No.0100
2,112年の学生に映画を2,112本紹介致します、という設定のブログ
MOVIE No.0100 『』
1954 日本
[FOR A.D.2112 未来の学生に向けたレビュー]
記念すべき100本目のご紹介は、化け猫映画『怪猫岡崎騒動』です。この作品は、筆者が生きる時代では無名の作品の1つです。そもそも、化け猫映画というジャンル自体が、絶滅危惧種に指定されていると言っても過言ではないでしょう。未来の皆さんが生きる時代にも生き残っていたとしたら、奇跡です。化け猫は、筆者と同世代では『ゲゲゲの鬼太郎』という何度かアニメ化された作品で登場する、猫娘というキャラクターで知られているくらい。単体映画のジャンルとして有名ではありませんし、今後映画が作られるような収益力もないでしょう。筆者がプロデューサーだとすれば、絶対に映画化の決定は下せません。きっと、今後もそうなるはず。
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では、何故そのような衰退しているジャンルの作品を100本目というキリの良い位置に紹介するのか説明しましょう。理由は1つ。化け猫映画には、肥えた映画好きかどうか判る、リトマス紙のような力を発揮すると筆者が考えるからです。筆者による映画紹介には、いくつかのリトマス紙が存在しますが、この化け猫映画もその1つです。沢山映画を観た後で、鑑賞していただければと思います。
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化け猫映画の魅力について。化け猫映画は、ゾンビ映画とファンタジー映画を足して2で割ったような魅力があるように思えます。基本的に江戸時代を舞台にしているので、時代劇の要素もあります。また、特撮映画を観るときのような楽しみ方もできます。セットやメイクの工夫をこらした味のある作品が多く、動きや場面が記憶に残りやすい傾向にあるかと思います。観客は作り手の工夫や完成した画面への驚きに対して一喜一憂できます。映画に完璧さを求める人には向いていませんが、それでも楽しめる人こそ、新しい価値を作れる人だと思います。それでも楽しめる人も、完璧ではないことを理解した上で楽しんでいるのですから。
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『怪猫岡崎騒動』は筆者が観た化け猫映画の中でも、最もスケールとテンポがよいものです。脚本も良い。セットも化け猫のアクロバティックな動きも魅力的。筆者としては、本作から鑑賞するのがよいのではないか、と思います。また、別の化猫映画では、元来の化け猫伝説の元となった江戸時代の事件に近い展開が描かれている、『亡霊怪猫屋敷』がおすすめです。
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100年後の皆さんも、興味あれば鑑賞されたし。
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[DIARY 筆者の思い出]
映画館の特集にて鑑賞。遠くのレンタルビデオ屋に電車に向かったが、いろいろ思い立って途中下車して、ふらふらと入った映画館であった。一期一会とはこのことである。
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[RECOMMEND 現在と未来へのオススメ度]
FOR A.D.2,012 : ★★★
FOR A.D.2,112 : ★★★★
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written by kiyasu 2012/7/13第一稿
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