100年後の学生に薦める映画 2112本

未来の皆さんに価値ある2112本の紹介を目指します。100年後に現在の映画ビジネスは無くなっているという前提。

『かぐや姫の物語』 100年後の学生に薦める映画 No.1400

100年後の学生に映画を2,112本紹介致します、という設定のブログ

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MOVIE No.1400『かぐや姫の物語

2013 日本

ジ・アート・オブ かぐや姫の物語 (ジブリTHE ARTシリーズ)

 

[FOR A.D.2112 未来の学生に向けたレビュー]

2013年に現れた怪物のような作品。市川崑監督×東宝特撮の『竹取物語(1987年)』より、遥かに強烈。いや、比較対象が悪い。古今東西の殆どのアニメーション、古今東西の殆どの日本映画より強烈。70年代-2010年代の日本映画をすっとばして、そこにスタジオジブリの何十年かの歴史を混ぜた上で、突然変異で改めて進化したような映画だ。高畑勲監督による最新作を楽しみにしてはいたが、こんなに素晴らしいとは思わなかった。体系的に映画を過去から並べると判るのだが、高畑監督は、いつでも、その時代において新しい映画を作ってきた。最初の監督作である『太陽の王子ホルス』のときからそうであった。ただ、残念ながら、未来の学生に心の底からオススメできるものは少なかった。もの凄く厳しめに書けば、テレビアニメーションの『アルプスの少女 ハイジ』くらい(正確には『ハイジ』も劇場公開されているので映画でもあると考えることはできるが)。あとは注釈を付けた上での「オススメ!」であった。そんな中、ボーナスステージのように現れた『かぐや姫の物語』は最高に素晴らしく、また、お勧めできる。100年後の映像ビジネスは判らないが、この作品に並ぶ深い作品を作るのは大変である。心して観ていただきたい。原作『竹取物語』そのものがとんでもないのであるので、別途、どこかで記しておきたいものであるが。尚、パンフレット等にて高畑監督が、内田吐夢監督のことについて書いていたが、気のせいか、内田吐夢監督っぽさを感じる。白く、絹のような映画。ラストシーンは「ああ、これを映すのかー」と思ったが、文脈的に物語の重力に逆らえなかったか。100年後の皆さんも興味あれば鑑賞されたし。

[DIARY 筆者の思い出]
劇場で鑑賞。

[RECOMMEND 現在と未来へのオススメ度]

FOR A.D.2,012 : ★

FOR A.D.2,112 : ★★

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written by kiyasu   2013/12/30 第一稿
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