100年後の学生にすゝめる『東京画』
2,112年の映画少年に、2,112本の映画を紹介します。
MOVIE No.0078 『東京画』
1985 西ドイツ アメリカ Tokyo-Ga
[FOR A.D.2,112 未来の学生に向けたレビュー]
日本人以外の監督が日本を描写した作品の顕著な例。ドイツ出身のヴィム・ヴェンダース監督が、亡き小津安二郎監督と、日本を描いた作品です。ヴィム・ヴェンダース監督は、長いフィルモグラフィーの中でも、1,984年の『パリ、テキサス』、1,986年の『ベルリン・天使の詩』が特に有名ですが、ちょうどこの間に発表された『東京画』が、私にとって大切な作品です。私が日本人であるというバイアスがかかっているかもしれませんが、観て損なき作品だと思います。ヴェンダース監督が得意とする、ゆったりとした詩的な視線で、日本や小津安二郎を描写するとどうなるか。その視線と語りに注目してみてください。当然のごとく、『パリ、テキサス』など、他の作品もチェックいただきたいですが。
小津安二郎監督については、『東京物語』など、別項を参照ください。また、ヴェンダース監督は、本作以外にも『東京物語』の舞台の一つとなった尾道を扱った写真展を日本で行っています。尾道については、『転校生』の項目で一部詳しく書いているのでご参照ください。
100年後の皆さんも、興味あれば鑑賞されたし。
[OLD DIARY]
ビデオで鑑賞。あまり期待していなかったので、鑑賞中、自分の作品を見抜く力がまだまだであったことを痛感される羽目になりました。映画の所蔵が少ないとある大学キャンパスで観たのですが、そのキャンパスが所有する映画の中では一番面白い部類に入るのではないか、と思っています。
[RECOMMEND]
紹介映画のおすすめ度。
FOR A.D.2,012 : ★★★
FOR A.D.2,112 : ★★★★