100年後の学生に薦める映画 2112本

未来の皆さんに価値ある2112本の紹介を目指します。100年後に現在の映画ビジネスは無くなっているという前提。

『ロシュフォールの恋人たち』100年後の学生に薦める映画 No.0005

2,112年の学生に映画を2,112本紹介致します、という設定のブログ。

No.0005 『ロシュフォールの恋人たち(1967年・フランス)』

Les Demoiselles de Rochefort

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[FOR A.D.2112 未来の学生に向けたレビュー]

ミュージカル映画の最後の一花。それが『ロシュフォールの恋人たち』だったのではないかと、筆者は思う。2,012年にいきる私が、約50年前の1,967年の作品を最後の一花と言ってしまうのは、その後生まれたミュージカル作品を否定しているようで申し訳ないのですが、実際、この時代までが、ミュージカルが育つ最後の土壌の時代だったのではないでしょうか。

100年後においてミュージカル映画が多いとすれば、それは何かしらの技術革新があったのではないかと予想します。ミュージカル映画は、2,012年現在、決してエンタテイメントの主流にはなっているとは言えなません。ならば、いつが主流であったかと振り返ると、映画に音声がついた直後あたりが、絶頂期であったと言えます。これは、音という特徴を十分に活かそうとすれば、当然のことだったのかもしれません。ジャンルの勢いは、技術革新との結びつきが大きいのです。2,012年の最新技術は、3D作品や4K作品(4Kは一般層の映画館には普及していませんが)。ミュージカルを活かせるイメージはなかなか湧きません。

ただ、歴史に残るミュージカル映画の傑作は、必ずしもトーキー直後の時代だったとは思えません。実際、筆者の記憶に残っている映画音楽は、そうした絶頂期の頃のミュージカル映画に使用された曲よりも、その時代からもう少し後の映画の方が多い。数は減っても、技術が成熟した頃に、良質な作品が、サラリと生まれるものなのかもしれません。

今回紹介するのは、ミュージカル映画の絶頂期から外れ、フランス映画の絶頂期とも外れた、『ロシュフォールの恋人たち』。これが先に述べた、サラリと生まれた作品ではないか、と思うのである。

正直、完璧とは違うベクトルにある作品。ミュージカル映画共通とも言えますが、ストーリーも捻りなし。割り切ればそれまでですが、ダンスもバラバラなところもある。しかし、どこかお洒落で、カラフルで、観ていると快感に近いものを感じる作品。『町から町へ』とか、筆者は慣れないフランス語の歌詞を何度も何度も読んだものです。

100年後の皆さんも興味あれば鑑賞されたし。


[DIARY 筆者の思い出]

リュミエールの子供たち~フランス映画100年の夢』を観て直ぐに手を伸ばした作品。本作も、大学のライブラリーについて鑑賞。これを言った後だと未来の皆さんに勧める価値が半減しますが、CMで知っている曲だからこそ、筆者は本作を楽しめたのかもしれない。私の生きる時代の日本人は、この映画を知らなくとも、曲は聴いたことがある人が多い。本作に使用されている『キャラバンの到着』も、日本では三菱自動車・ランサーやFUJIFILM・アスタリフトなどのCM曲として使用されています。古き傑作映画は殆どテレビで放送されなくなりましたが、CM音楽では当時の映画に触れることができます。現在のTMCM作成の実権を握る世代がちょうど、好みの映画が当時のものに当たりやすいことが当たるかもしれません。

ロシュフォールの恋人たち デジタルリマスター版(2枚組) [DVD]

 

[RECOMMEND 現在と未来へのオススメ度]

FOR A.D.2,012 : ★★★★

FOR A.D.2,112 : ★★★

 

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written by kiyasu   2012/6/27 改訂

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