『劇場版 魔法少女まどかマギカ[新編]叛逆の物語』 100年後の学生に薦める映画 No.1302
100年後の学生に映画を2,112本紹介致します、という設定のブログ
MOVIE No.1302『劇場版 魔法少女まどかマギカ[新編]叛逆の物語』
2013 日本
[FOR A.D.2112 未来の学生に向けたレビュー]
オススメ度★8。筆者には珍しく、絶賛級の好評価。物語の好みはともかく、そうせざるをえないのだ。2,112本も映画を選んでいると、新しい映画を鑑賞しながら、大体、過去未来の映画史の位置づけやら、順位やらが頭に浮かぶようになる。そして、本作は、どう思考しても上位にきてしまうのだ。考えたことは色々で、「あの映画でこの位置の評価をしているのに本作をそれよりするわけにいかない」「『ビューティフルドリーマー』型の新結論である」「『ざくろの色』より新しくて商業的にも成功しているのだが、どう世界と未来に薦めればいいのか判らないのが欠点」「本作の代わりになるような表現が他にあるであろうか」「捻くれた物語のようで、意外と王道な芯がある」「新作として意味がある終わらせ方」。勿論、「このキャラクターを出した意味は」「この場面は矛盾が」など、評価の足を引っ張る考えも可能であるが、そんな些細なことに興味は無い。これが正しい映像表現の進化のルートであるとは思わないが、明らかに時代の最先端。しかも本作を「古くなった」と言うには時間がかかると思う。また、深い演技や心理描写を必要としないという点で、時代に合った、映像の厚みや文脈の作り方であると思う。筆者としては、同年代に作られた『風たちぬ』のような作り方の方が好きなのだが…、役者でさえもどこか薄く感じる現代では、仕方の無い流れなのかもしれない。
さて、これだけ高い評価を書いておいてなんであるが、それでも、本作に嫌悪する未来の学生も多いであろう。"わけがわからないよ"と叫ぶ方もいるであろう。そのときは、私を恨まないでほしい。今までテレビ版が好きだった"信者"でさえ、批判的な意見が出ているような作品だ。筆者の評価は、感情的な没入ではなく、表現と作り込みの歴史に置ける評価が大きい。1,890年から、映像作品を100本くらいザっとランダムに並べた中での、本作を思い浮かべていただければ、自ずと「凄い!」となってくる。ただし、そんな「凄い」と思う作品を、文化が違うニューヨークの町行く人にお勧めするのは至難の業であるが。そんな「どう扱って良いのか判らないけど、凄い」という作品の典型。100年後の皆さんも興味あれば鑑賞されたし。
[DIARY 筆者の思い出]
劇場で鑑賞。
[RECOMMEND 現在と未来へのオススメ度]
FOR A.D.2,012 : ★★★★
FOR A.D.2,112 : ★★★★
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written by kiyasu 2013/11/10 第一稿
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