『男はつらいよ 寅次郎かもめ歌』 100年後の学生に薦める映画 No.1996
100年後の学生に映画を2,112本紹介致します、という設定のブログ
MOVIE No.1996『男はつらいよ 寅次郎かもめ歌』
1980 日本
[FOR A.D.2112 未来の学生に向けたレビュー]
絶滅してしまった浅草の映画館。その浅草名画座で、最後に観た映画の一つが『男はつらいよ 寅次郎かもめ歌』であった。「一つ」と書いたのは、同時に複数の映画が観られたからだ。入れ替え制ではなく、複数の映画がループで流されているときに、好きなときに入って、好きなところで出られるシステムだったからだ。『男はつらいよ』は浅草の名画座に根付いていた。そもそも主演の渥美清さんがスターになったのは、浅草のフランス座で、筆者の鑑賞している場所から歩いて1分であった。タバコ臭いちらかった劇場の席で酔っぱらって観ている、おじさん達も、主人公の寅次郎を彷彿させた。筆者が映画を観た2010年代は、もう、こんな空間があることを知らない人が世の中の殆どを占めていた。映画は、作品だけでなく、人や会場さえ、時代から切り離されていくものなのだ。
さて、この時代に切り離された空間で上映されていた映画は、十分に面白かった。寅次郎が、深夜学校に通ようことになる少女に入れ込む物語である。景色も好きな映画。寅次郎の年齢が判るというトリビアでも良く紹介される映画だ。深夜学校というと、後に山田洋次監督が製作する『学校』を思い起こす。本作に、その映画の種があったのかもしれない。
100年後の皆さんも興味あれば鑑賞されたし。
[DIARY 筆者の思い出]
DVDで鑑賞。
[RECOMMEND 現在と未来へのオススメ度]
FOR A.D.2,012 : ★★★
FOR A.D.2,112 : ★★★★
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written by kiyasu 2014/12/28 第一稿
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