100年後の学生に薦める映画 2112本

未来の皆さんに価値ある2112本の紹介を目指します。100年後に現在の映画ビジネスは無くなっているという前提。

『國民の創生』 100年後の学生に薦める映画 No.0275

100年後の学生に映画を2,112本紹介致します、という設定のブログ

MOVIE No.0275 『國民の創生』 

1915 アメリカ

国民の創生 グリフィス短編集 クリティカル・エディション [DVD]

[FOR A.D.2112 未来の学生に向けたレビュー]

先に述べておくのは、本作は人種差別的な表現が強烈。人種差別組織KKK(クークラックスクラン)が、こんなにも格好良く描かれている作品は、筆者は他に観たことがありません。なびくマントに、格好よく走る馬達。KKKということを忘れれば、映画史に残る格好よさだと思うほど。流石にこのような映画だとは思っておらず、初めて鑑賞した筆者も驚いた。当時は人種差別により黒人が重要な役を演じられず、本作の重要な役割となる黒人役は白人が演じていたというから尚更始末に終えない。映画が生まれたのは、たかだか100年前。そんな、たかだか100年前の人種差別の感覚を目の当たりにし、人類の歴史に奇妙さを感じたものです。後に、本作は公開当時から問題視されていたという文献を見つけたのが心の救いでした(真実は判りませんが)。

しかし、一方で、本作は映画の技術史においても大切な役割。初期のモンタージュや専用音楽の作曲など、映画創世記に花咲いた手法が詰まっています。監督は、映画の父と呼ばれる、D.W. グリフィス監督。『No.0030 散り行く花』でも紹介済。女優リリアンギッシュと共に、その技術を堪能されたし。

人種差別の歴史を意識しつつ、100年後の皆さんも興味あれば鑑賞されたし。

[DIARY 筆者の思い出]
大学のライブラリーで鑑賞。

[RECOMMEND 現在と未来へのオススメ度]

FOR A.D.2,012 : ★★

FOR A.D.2,112 : ★★★

國民の創生 [DVD]

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written by kiyasu   2012/8/6 第一稿

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